2019年4月30日をもって生前退位された上皇さま。
2026年9月下旬現在、92歳でいらっしゃいます。
上皇さまは、2025年5月には心筋虚血の疑いで東大病院に入院されるなど、体調が芳しくないとの報道がときどき耳に入りますね。
仙洞仮御所で上皇后さまと穏やかな暮らしをされているそうですが、心不全の治療のために薬を服用し、水分の制限をしている状態でもあります。

そんな上皇さまですが、もし亡くなった場合にはどんな影響があるのでしょうか?
そこで今回は……
- 上皇さまが亡くなったら起きること:大喪の礼
- 上皇さまが亡くなったら国民への影響は?
- これまでに天皇が崩御された際の影響
以上の3点について調査・予想していきます。



これまでに天皇が崩御された場合、天皇の誕生日が祝日になったケースもありました。
上皇陛下の場合はどうなるのでしょうか。
上皇陛下が亡くなったら起きること①:大喪の礼


上皇陛下が亡くなったら、大喪の礼が行われます。
まず最初に確認しておきたいのが「大喪の礼」と「大喪儀」の違いです。
大喪の礼…国の儀式。会式の宣言から国内外の参列者の拝礼、閉式の宣言までが「大喪の礼」にあたる。
大喪儀…皇室の私的な儀式。明治天皇以降は宮中祭祀の親等儀礼によって執り行われる。
棺が武蔵領墓地に安置されるまでの一連の儀式は、約1年かかります。
大喪の礼は国事行為として執り行われ、各国の元首や弔問使節・国内の要人などを招いて行われるでしょう。
国家儀式である大喪の儀のおおまかな流れを、昭和天皇の大喪の儀から見てみます。
- 1月7日 天皇の崩御が奉告される
- 皇太子 明仁が皇位を継承
- 「大喪の礼委員会」が内閣に設置
- 1月19日 霊柩が御浜床に奉安される
- 同日 内槽が外棺に密封される
- 1月14日、21日に皇居東御苑、新宿御苑にて葬場殿の儀のリハーサル
- 「槻殿十日祭の儀」(天皇崩御から10日目に行われる儀式)を挙行
- 1月17日 武蔵領墓地で「陵所地鎮祭の儀を執り行う
- 1月19日 殯宮(宮殿正殿松の間に設置)に遷座する「殯宮移御の儀」を実施
- 霊柩を乗せた車が吹上御所から宮殿表御座所に移動、殯宮に到着し内槨に安置
- 1月20日~2月24日まで毎日、霊柩に供え物をする「殯宮日供の儀」を行う
- 1月20日 「殯宮移御後一日祭の儀」で天皇が御誄を奏上
- 1月21日 国会議員や国民の代表が殯宮を拝礼する「殯宮拝礼」を実施
- 1月22日から24日 宮殿長和殿ベランダに遺影を掲げ、宮殿東庭から大行天皇を偲ぶ「殯宮一般拝礼」を実施
- 1月26日10時、「殯宮二十日祭の儀」を挙行
- 1月31日10時、殯宮にて「追号奉告の儀(崩御した天皇に追号を奉告する儀式)」を実施
- 2月5日 「殯宮三十日祭の儀」を挙行
- 2月9日 皇太后御名代を務める常陸宮正仁親王妃華子が吹上御所へ参殿し、皇太后に拝謁
- 2月15日 「殯宮四十日祭の儀」を挙行
- 2月23日 武蔵陵墓地で「陵所祓除の儀」を、18時に霊代を向こう1年間奉安する権殿にて「霊代奉安の儀」を行う
- 2月24日 殯宮にて「斂葬当日殯宮祭の儀」を挙行
- 8時40分、霊柩を載せられた奉遷車が殯宮を出発し、宮殿長和殿南車寄に到着
- 9時32分霊柩を載せた車を中心として組まれた葬列が、宮内庁楽部による雅楽『宗明楽』と陸上自衛隊第1特科連隊による21発の弔砲に送られ宮殿長和殿を出発
- 9時35分「轜車発引の儀」が執り行われ、葬列は皇居正門を出門。葬列の出発をもって国家儀式である「大喪の礼」が開式
- 葬場に到着した霊柩は轜車から霊輦(霊柩が納められた葱華輦そうかれん)に移る
- 皇宮護衛艦が霊柩を担ぐ
- 徒歩列は雅楽が奏される中、白木造りの葬場殿に入り、10時40分、霊輦が奉安
- 門に見立てた黒一色の幔幕が閉じられて鳥居などが設置
- 国家儀式「大喪の礼」から皇室儀式「大喪儀」の「斂葬の儀」に含まれる「葬場殿の儀」が開始
- 天皇がお別れの言葉(御誄)を述べる
- 11時40分、鳥居や幣帛、大真榊などが除去される
- 内閣官房長官が「大喪の礼御式を挙行いたします」と開式を告げ、国家儀式「大喪の礼 御式」が開始
- 13時2分 参列者の一斉拝礼が行われて儀式が終了
- 3時13分、霊柩を轜車に遷移
- 13時37分 幔門が開かれて葬列が葬場殿を出発、15時14分、葬列は武蔵陵墓地総門に到着
天皇が亡くなった際の大喪の儀は以上のような手順で行われます。
わかりにくいので大まかに流れを言うと、葬場殿の儀(皇室儀式)→大喪の礼(国家儀式)の順番です。
従来の御喪儀は、1年をかけた大きな儀式であったために国民への影響も大きなものでした。
上皇さまは、東京都の武蔵陵墓地に埋葬される予定になっています。
従来の陵(みささぎ)よりも規模が小さいそうで、上皇さまのつつましい性格が伺えるようですね。



ちなみに、武蔵陵墓地には、大正天皇および貞明皇后と、昭和天皇および香淳皇后の御陵があります。
上皇さまのご葬儀は規模縮小?
9月2日の朝日新聞の記事では、「上皇さまの意向を受けて葬儀について縮小する方向で検討を進める」と公表されました。
具体的に、どの点が変更されてどこが従来のままなのかをまとめます。


上皇さまは、儀式の規模や陵の大きさなどを縮小して、国民への影響などをできるだけ小さくするように希望されたそうです。
また、急な天候の変化や暑さ、寒さから参列者を守るために、葬場殿の儀を殯宮と同じ場所に設けた「奉安殿」で行うよう希望されました。
上皇さまは、国民によりそい、負担をより少なくするように求めていらっしゃるようですね。
上皇さまが亡くなったら国民への影響は?





上皇陛下が亡くなった際に行われる大喪の礼についてはわかりましたが、国民にはどんな影響があるのでしょうか?
大喪の礼の日は、国民にも大きな影響を及ぼしました。
昭和天皇の大喪の礼が行われる日は、休日と定められたそうです。
では、祝日などにおいてはどうでしょうか?
上皇陛下が亡くなった後に、祝日関連で国民はどのような影響を受けるのか、考えられるパターンが2つあります。
国民への影響 パターン①何も変わらない
考えられるパターン1は、「何も変化がない」ことです。
上皇さまの誕生日は、天皇の代替わりとともに平日に戻っています。
天皇が崩御された後に、天皇を偲ぶ祝日が制定される場合もありますが、上皇さまのために新たな祝日があるかは不明です。
ですので、もし上皇陛下を偲ぶ祝日が制定されない場合には、国民への影響はあまりないと考えられます。
国民への影響 パターン②祝日が増える
祝日が増える可能性についても触れておきましょう。
もし、国民から「平成天皇(上皇陛下)を偲ぶ日がほしい」との要望が多かった場合、祝日が増える可能性があります。
その場合、上皇さまの誕生日が祝日になる可能性がありますね。
ただ、かつて「昭和の日」だった昭和天皇の誕生日は、何度か名前や日程が変更されています。
したがって、必ずしも上皇さまの誕生日である12月23日が祝日になるとは限りませんね。



すると、日本にお休みが増えるわけですね!



ただ、日本はもともと祝日が多いと言われています。そんな中で、さらに祝日を増やすのは難しいかもしれません。
これまでの天皇が崩御した際の影響
上皇さまが亡くなった際に考えられる影響について予想してきました。
最後に、これまでの天皇が亡くなったときの影響を調査します。
大喪の礼とその後の祝日について、詳しく見ていきましょう。
昭和天皇
| 崩御 | 1989年1月7日 |
| 大喪の礼 | 1989年2月24日(新宿御苑) |
| 参列者 | 各国から約9800人が参列 |
| 祝日 | 4月29日(昭和の日) |
昭和天皇の大喪の礼の際、警備に全国の警察約3万2000人が動員されたそうです。
これは、過去最大の人数だったらしく、かなり物々しい雰囲気が漂っていたことが想像できますね。
明治天皇
| 崩御 | 1912年7月30日 |
| 大喪の礼 | 1912年9月13日 |
| 参列者 | 人数不明 |
| 祝日 | 11月3日(文化の日) |
昭和天皇は東京・八王子の武蔵野陵に埋葬されていますが、明治天皇陵は京都伏見桃山にあります。
これは、明治天皇が「生まれた地で眠りたい」と生前に言い残していたという理由からだそうです。
明治天皇のご遺体を乗せた車が皇居を出発する際、乃木希典と妻・静子が自害したという話は有名ですね。
まとめ|上皇さまが亡くなったら起きることと国民への影響


| 内容 | 詳細 |
|---|---|
| 行われる儀式 | 大喪の礼(上皇さまは東京都・武蔵野東陵に埋葬予定) |
| 上皇さまの御喪儀に対するご要望 | 国民への影響を小さくする 喪儀の規模を小規模に 参列者に天気の急変などの影響がないように |
| 上皇さまの御喪儀の変更点 | 葬場殿の儀は皇居・宮殿で行う 参列者は数千人規模まで縮小 儀式の規模を小さくする 陵の大きさは昭和天皇陵の約8割 土葬から火葬に変更 葬送儀式を比較的小規模に 拝礼の儀は殯宮と同じ場所に設けた「奉安殿」で行う |
| 国民への影響① | 祝日制定の可能性あり。ただし必ず制定されるとは限らない |
| 国民への影響② | 上皇さまの誕生日(12月23日)が祝日になる可能性があるが、不確定 |
| 過去の天皇の例(昭和天皇) | 崩御:1989年1月7日、大喪の礼:1989年2月24日、「昭和の日」祝日化 |
| 過去の天皇の例(明治天皇) | 崩御:1912年7月30日、大喪の礼:1912年9月13日、「文化の日」祝日化 |
今回は、上皇さまが亡くなったら、国民への影響や、大喪の礼がどう行われるのかについて調査しました。
上皇さまが崩御された場合に行われる「大喪の礼」は、国の重要儀式として行われる可能性が高いです。
上皇さまが亡くなった後の儀式についても、国事行為として行うと宮内庁が発表しました。
儀式自体の規模も縮小するなど、上皇さまは国民への影響を憂慮しておられるようです。
2013年の宮内庁の発表によって、天皇陵・皇后陵の縮小も検討され始めました。
時代に合わせた儀式の在り方が問われていますね。










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