天皇陛下と雅子さまが、10月4日から2泊3日の日程で京都と大阪を訪問されます。
京都といえば、皇室ともつながりの深い土地ですね。
また、今回の大阪訪問では、再度大阪万博の会場を視察される予定です。
そこで今回は……
- 天皇陛下と雅子さまが宿泊される京都のホテルは?
- 天皇陛下と雅子さまが利用される京都大宮御所の歴史と利用歴
- 京都大宮御所は見学できる?
両陛下が宿泊される京都大宮御所について深堀していきます。
京都大宮御所についてはあまりご存じでない方もいると思いますので、歴史や見学の可否について調査してみました。
天皇陛下と雅子さまが宿泊される京都のホテルは?

https://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/shinzen/gaikoku/mng1.html
天皇陛下と雅子さまは、ホテルは利用せず京都大宮御所にご宿泊
京都府のHPにて、宿泊される場所がすでに公開されていました。
2025年現在、京都大宮御所には皇族は住んでいませんが、天皇皇后両陛下が京都にいらした際の宿泊などで使われています。
京都大宮御所ってどんな場所?
- 建設:江戸時代後期、皇太后の御所として造営
- 特徴:書院造の伝統を継ぐ木造建築、格式ある正殿や庭園を有する
- 現在の役割:天皇皇后両陛下や上皇ご夫妻が京都に滞在される際の宿泊・公務拠点
京都大宮御所は江戸時代後期に皇太后の御所として建てられた建物で、現在は両陛下や上皇ご夫妻が京都で宿泊される際の拠点として利用されています。

https://fng.or.jp/kyoto/pdf/map/kyotogyoen_map_jp.pdf
場所は京都御苑の中央部、京都御所のすぐ西隣にあり、京都御苑の公式地図を見ても、御所や迎賓館と一体的に配置されているのが分かります。
周囲には緑豊かな庭園が広がり、厳かな雰囲気の中で静かに滞在できる環境です。
御所の内部は一般公開されていませんが、外観や庭園の一部は宮内庁の解説で知ることができます。(下記に詳しくご紹介しています。)
格式の高い日本建築と庭園が調和し、京都御苑の象徴的な存在となっています。
天皇皇后両陛下や上皇さまが京都大宮御所にご宿泊されたのはいつ?
宮内庁の「行幸啓日程」を振り返ると、京都大宮御所に滞在された例は数多くあります。
- 2000年(平成12年9月29日〜10月2日)
第20回全国豊かな海づくり大会ご臨席の際に、京都大宮御所を拠点に滞在 【宮内庁記録】 - 2019年(令和元年10月)
天皇皇后両陛下が即位礼関連で京都御所を訪問、その際に京都大宮御所を拠点とし、昼食や茶会を実施 【宮内庁記録】 - 過去の上皇ご夫妻のご訪問時にも、たびたび京都大宮御所をご宿泊先とされています。
平成12年(2000年)9月29日~10月2日
第20回全国豊かな海づくり大会ご臨席の際に、京都大宮御所を拠点に滞在されました。舞鶴市や宮津市を訪れられ、京都府内を幅広く巡られています。
令和5年(2023年)5月14日~5月18日
上皇ご夫妻が京都府および奈良県をご訪問された際も、大宮御所にご宿泊。京都大宮御所を拠点に、泉涌寺や大聖寺、葬祭へのご参列などを行われ、後半は奈良県へと移動されました。
以下はその詳細日程です。
日付 | 上皇上皇后両陛下のご活動 | 滞在場所 |
---|---|---|
5月14日(日) | 仙洞御所御発 → ご挨拶(京都御所大宮御所) → ご訪問(泉涌寺) | 京都大宮御所 |
5月15日(月) | ご訪問(大聖寺) | 京都大宮御所 |
5月16日(火) | ご覧(葬祭・京都御苑) → ご挨拶(京都大宮御所) → 京都府から奈良県へご移動 | 京都大宮御所 |
5月17日(水) | ご訪問(中宮寺・斑鳩町)、ご視察(なら歴史芸術文化村・天理市) | 奈良県 |
5月18日(木) | 奈良県から京都府へご移動 → 仙洞御所御着 | 仙洞御所 |
このように、上皇ご夫妻も在位中・退位後を問わず京都訪問の際には京都大宮御所を宿泊拠点にされていることが確認できます。
このように、京都大宮御所は「京都訪問時の常宿」といえる存在です。
2015年の天皇陛下と美智子さまの京都ご訪問の際は京都迎賓館でご宿泊
一方で、例外的に「京都迎賓館」を宿泊先とされたケースもあります。
2015年(平成27年)、当時の天皇陛下(現・上皇さま)と皇后美智子さまが京都をご訪問された際は、京都御苑内にある京都迎賓館に滞在されました。
京都でのご宿泊先はこれまで、京都御苑内にある京都大宮御所だったが、耐震性に問題があることが判明。今回は同じ京都御苑内にあり外国の賓客をもてなす京都迎賓館に宿泊された。こうしたケースは戦後初めてだという。
引用:産経新聞
https://www.sankei.com/article/20130629-CJ5HPLQBQ5PJNO6A7YO4IGQ56M/
京都迎賓館は、海外からの国賓や公賓を迎えるために2005年に建設された施設で、日本建築の伝統技術を活かした現代和風の建物です。
通常は外交儀礼用ですが、天皇皇后両陛下が京都で公務を行う際にも特別に使用されます。
その後の京都訪問の際は大宮御所の利用に戻ったことから、迎賓館の利用がいかに異例だったのかがわかりますね。
国賓が宿泊することもありましたが、2015年に京都迎賓館が建てられた後は、国賓は迎賓館に宿泊するようになりました。
天皇陛下と雅子さまが利用される京都大宮御所の歴史を調査

https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E5%AE%AE%E5%BE%A1%E6%89%80-39597
年代不明 | 東福門院和子の御所として造営 |
1854年 | 火災によって焼失 |
1867年 | 孝明天皇が英照皇太后のために再建 |
1872年 | 皇太后が東京へ遷御のため廃される |
大正時代 | ガラス窓の使用・洋室に改装 |
京都大宮御所は、京都仙洞御所の北側に隣接しています。
後水尾天皇の皇后である東福門院和子の御所として建てられた京都大宮御所。
しかし、1854年に焼失し、大宮御所は1867年に建て直されます。
仙洞御所同様再三の火災で焼失し、現在の建物は孝明天皇の皇后である英照皇太后の御所として建てられたものです。
引用:京都御苑
https://kyotogyoen.go.jp/highlights2/omiyasento.html
ちなみに、孝明天皇は幕末の天皇です。
英照皇太后は孝明天皇の女御で、明治天皇の嫡母(実母ではない)として皇太后に冊立されました。
- 妹の和宮を徳川家茂に嫁がせる
- 公武合体を進める
- 過激な討幕・尊王攘夷運動を抑える
- 天然痘が原因で死亡(毒殺説もある)
ちなみに、東京にある吹上大宮御所と混同をさけるため、「京都大宮御所」と呼ばれるケースがあります。
京都大宮御所は見学できる?

https://sankan.kunaicho.go.jp/multilingual/kyoto/
見学には、事前申し込み(インターネット・郵送)または当日の申し込みが必要です。
当日申し込みの場合は会場で整理券が配布されますが、1日の受付人数には限りがありますのでご注意ください。
また、整理券の受け取り・参観の際には身分証明書(運面免許証・保険証・マイナンバーカードなど)が必要ですので、お忘れなく!
令和7年6月~令和7年3月の間は、工事のため一部順路が迂回ルートに変更されています。
また、上記の期間は醒花亭も参観不可能ですので、醒花亭も見たい場合は令和8年3月以降の見学をご検討ください。
京都仙洞御所・京都大宮御所の見学詳細 | |
---|---|
参観開始時間 | 9:30、11:00、13:30、14:30、15:30 |
参観料 | 無料 |
休止日 | 月曜日、年末年始・行事がある日など |
京都仙洞御所公式HP | https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/sento-gosho |
※京都御所の見学と京都仙洞御所の見学時刻は異なりますのでご注意ください。
ただし、敷地内にある茶室(拾翠亭)の見学は有料ですのでご注意ください。

https://fng.or.jp/kyoto/category/%E6%8B%BE%E7%BF%A0%E4%BA%AD/page/2/
拾翠亭見学に関する詳細 | |
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公開日 | 年末・年始を除く木・金・土曜日 葵祭・時代祭開催日 ※諸事情により見学できない日もあるため、要確認 |
参観時間 | 9:30~15:30(受付は15:15まで) |
参観料 | 300円 |
公開日とされている曜日でも、見学できない可能性がありますのでご注意ください。
なお、撮影に際して器材の持ち込みは禁止されています。
拾翠亭に関する詳細な情報は、以下のリンクをご覧ください。
京都御苑は、京都御所、京都仙洞御所、京都大宮御所を囲む公園のこと。江戸時代には140をこえる宮家や公家の邸宅が並んでいた。いつでも無料で出入り可能。
京都御所の特別拝観について
京都御所は、毎年春と秋に特別拝観を実施しています。
2025年秋の特別拝観は以下の通りです。
期間 | 11月26日(水)~11月30日(日) |
入門時間 | 9:00~15:20(最終退出時間は16:00) |
参加料 | 不要 |
申し込み手続き | 不要 |
公式サイト | https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/blog/065d0206b51d498696e70b84b212a8c7 |
雅楽や蹴鞠などの催しが各日程で行われますので、詳しくは公式サイトをご覧ください。
まとめ|天皇陛下と雅子さまは京都大宮御所に宿泊
本記事では、天皇陛下と雅子さまが京都・大阪を訪問される際のホテルについて調査しました。
天皇皇后両陛下は、京都ご訪問の際にホテルではなく京都大宮御所をご宿泊先とされます。
過去にも上皇ご夫妻や天皇陛下と美智子さまが滞在されており、「京都訪問時の常宿」としての役割を果たしてきました。
例外的に2015年には京都迎賓館に宿泊されたこともありましたが、基本的には大宮御所が選ばれています。
京都にいらっしゃる際は、大宮御所に宿泊されることが慣例となっており、今回も慣例通りのようです。
歴史的背景としては、江戸時代後期に皇太后の御所として建てられた由緒ある建築で、現在は皇族の京都での公務拠点となっています。
年代・日程 | ご宿泊先 | 主な出来事 |
---|---|---|
平成12年(2000年)9月29日~10月2日 | 京都大宮御所 | 第20回全国豊かな海づくり大会ご臨席 |
平成27年(2015年) | 京都迎賓館 | 耐震性の問題から異例の迎賓館利用 |
令和元年(2019年)10月 | 京都大宮御所 | 即位礼関連行事の拠点 【宮内庁記録】 |
令和5年(2023年)5月14日~18日 | 京都大宮御所 | 上皇ご夫妻が京都・奈良を訪問 |
桂離宮など皇室と縁のある場所も視察されるそうですね。
雅子さまは桂離宮を訪れるのは初めてだそうなので、ぜひ楽しんでほしいものです。
京都大宮御所・仙洞御所は一般に開放されていますので、気になる方はぜひ見学に申し込んではいかがでしょうか。
見学についても宮内庁の公式サイトから事前申込で可能です。
美しい庭園が私たちを癒してくれるでしょう。
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