
「内廷費」って聞いたことあるけど、実際どんな使い道なの?
というように気になったことありませんか?
天皇家の生活費とされるこの予算、毎年3億円以上が支給されているのに、その内訳は基本的に公開されていないません。



「どこまでが私費?どこからが公費?」



「なんで明かされないの?」
など、気になるポイントはたくさん。
そこで!
- 内廷費の基本と使われ方
- 公開されない制度的な理由
- 実際に公開されたことのある内訳
などをわかりやすく紹介しています。
制度の仕組みや背景を知ることで、皇室とお金の関係がぐっと身近に感じられるはずです。
内廷費の内訳が非公開な理由は?
天皇家の生活に関わる「内廷費」って、実は多くの人が詳しい中身を知らないんです。
でもこれ、ある意味では当然かもしれません。
なぜなら内廷費は“私的な費用”とされていて、その中身は基本的に公開されない仕組みになっているからなんです。
今回は、そんなモヤモヤの正体を一緒に見ていきましょう。
内廷費は「御手元金」?天皇家の私的費用の定義
内廷費とは、天皇・皇后・上皇など「内廷」に属する皇族の生活費にあたるお金のことです。
ざっくり言うと、国から支給される“私的な費用”なんです。
法律で定額と決まっていて、令和7年度(2025年度)も3億2400万円と変わらず支給されています。
このお金は「御手元金(おてもときん)」とも呼ばれていて、宮内庁が管理する公金とは一線を画しています。
つまり、普通の国家予算と違って「内廷会計」という独立した仕組みで管理されていて、支出の中身も基本的に外部には公開されていません。
ただし、完全に自由に使えるわけでもありません。
実際には「内廷会計委員会」で予算を立てて、「監査委員会」でチェックし、「決算委員会」に報告する流れがあるため、ある程度の透明性と責任は保たれているんですね。
とはいえ、詳細な使い道や項目までは公表されないので、そこに「不透明だ」と感じる人がいるのも無理はありません。
なぜ使い道が明かされない?非公開の背景と制度
内廷費が「公開されない」って聞くと、なんだか秘密めいていて気になりますよね。
でも、これにはきちんとした理由があるんです。
実は戦後すぐの時代には、内廷費の使い道がかなり細かく公開されていたこともあったんです。
しかし、それが徐々に非公開へと変わっていった背景には、皇室のプライバシーや制度の見直しが関係しています。
まず大前提として、内廷費はあくまで天皇家の私的な費用。
だから、どの家庭が何を買ったかを全部公表しないのと同じで、あまりに細かく明かすことは「プライバシーの侵害」にもつながってしまうんです。
さらに物価上昇のたびに国会で金額を調整するのは現実的ではない、という判断もありました。
そこで導入されたのが、客観的な基準で改定するルール。
国家公務員の給与や物価指数をベースに、自動的に増減を判断する仕組みが取り入れられたんですね。
この制度が導入されてからは、「増額のたびに説明しなくてもいい=中身を公表しなくてもいい」という流れになっていったわけです。
つまり、非公開なのは“秘密にしている”というより、「制度上あえて詳しく出さない」ことが決まっているんですね。
気になる内廷費の実際の使い道
私的な生活費とはいえ、年間3億円以上も支給されていると聞くと「何にそんなに使ってるの?」と気になりますよね。
ここからは、過去に一部公表された資料をもとに、内廷費の実際の内訳や、どんな支出項目があるのかを具体的に見ていきます。
人件費や衣服費が中心?過去に公開された割合とは
内廷費の中身って、ずっと完全に秘密なわけじゃないんです。
実は過去にはざっくりとした内訳が公表されたことがあって、それを見ると意外な使い道が見えてくるんですよ。
たとえば1990年代に公表された内廷費の使い道を見てみると、最も多かったのは人件費で、全体の約33%を占めていたんです。
この「人件費」というのは、天皇家が私的に雇っているスタッフたちへのお給料。
たとえば神事を執り行う「掌典(しょうてん)」や「内掌典(ないしょうてん)」などの神職の方々ですね。
ほかにも、生物学の研究所や養蚕所で働く職員も含まれています。
そのほかの費用では、衣類など身の回りのものが18%、食費が13%、医療・薬品などが12%、災害見舞金や交際費が10%程度といった感じ。
意外と「自由に使えるお小遣い」みたいなお金って少なくて、多くが“生活と公務を支える人々のための費用”になっているんですね。
この割合からも、天皇家の日常が多くの人の支えで成り立っていることが伝わってきます。
掌典・内掌典など私的雇用職員の給与とは
内廷費の中でも大きな割合を占めている「人件費」。
この中には、天皇家が私的に雇用している職員たちのお給料が含まれているんです。
たとえば、宮中祭祀(神道の儀式)を担当する**掌典(しょうてん)や内掌典(ないしょうてん)**といった神職の方々がいます。
これらの職員は、公務員ではなく“私的な雇用”扱いなんです。
なぜかというと、宗教活動に公金を使うと憲法の「政教分離」に抵触するからなんですね。
だから、宮中三殿での儀式など宗教的な行事に関わるスタッフの人件費は、あえて内廷費から支払われているんです。
また、上皇さまのハゼ研究や養蚕を行っている「生物学御研究所」や「御養蚕所」なども私的な活動とみなされていて、そこで働く人たちの給料も同じく内廷費から支給されています。
つまり、内廷費の人件費は“単なる生活サポート”にとどまらず、文化や伝統を守る活動の支えにもなっているんですね。
こうした事情があるからこそ、人件費が内廷費の中でも特に大きなウエイトを占めているんです。
内廷費は本当に「自由に使えるお金」なのか?
「3億円のポケットマネーって自由すぎない?」
と思うかもしれませんが、実はそんなに単純ではないんです。
ここからは、内廷費がどのような制度で管理されているのか、具体的な予算や監査の仕組みを見ていきましょう。
監査・予算制度がある?「内廷会計」の仕組み
「内廷費って自由に使えるお金なの?」って思う人、多いんじゃないでしょうか。
実際は、完全に“自由”というわけではないんです。
内廷費には「内廷会計」というしっかりとした管理システムがあって、その中で運用されています。
まず、年度の始めに「内廷会計委員会」が予算を編成します。
この委員会には宮内庁の関係部局長などが関わっていて、金額の使い道がざっくりと決められます。
そして、年4回に分けて「内廷会計主管」の名義で、内廷費が口座に振り込まれる仕組みです。
この“会計主管”というポジションの人物が実際のお金を管理する役職で、天皇や皇后が直接お金を動かしているわけではないんですね。
さらに、1年が終わると「監査委員会」がその使い道をチェックして、「決算委員会」に報告します。
つまり、私的費用とはいえ、家庭のお小遣いのように好き放題に使えるものではなく、ある程度のルールと監視の目があるんです。
この仕組みがあるおかげで、内廷費は制度的な透明性をある程度保ちながら運用されていると言えますね。
愛子さまの学費は内廷費?線引きの微妙な判断とは
「これは公費?それとも私費?」
皇室費の使い道をめぐって、こんな疑問がたびたび話題になるんです。
実は、どちらに分類するかの判断って、意外とグレーな部分も多いんですよ。
たとえば、今上天皇が学生だったころの授業料は「宮廷費」、つまり公的な費用として支払われていました。
でも、愛子さまの授業料は「内廷費」、つまり私的な費用として支出されているんです。
この違いは、皇位継承権があるかどうかで線引きされているんです。
愛子さまは現在、皇位継承の対象外とされているため、国としては“公的費用を支出する対象ではない”という考え方になっているんですね。
一方、悠仁さまの授業料は「皇族費」から支払われていると言われています。
こうして見ていくと、内廷費や皇族費、宮廷費の間にはっきりとしたルールがあるようで、実はその運用にはかなり柔軟性があるのが現実です。
この微妙な線引きは、時代の空気や制度の解釈次第で変わっていく可能性もありますね。
皇族費との使い道の違いとは?
内廷費とよく混同されがちなのが「皇族費」。
でもこの2つ、実は使い道も支給対象もまったく違うんです。
まず、内廷費は天皇・皇后・上皇といった“内廷に属する皇族”に使われる私的な費用。
一方で、皇族費は秋篠宮家などの“宮家”に属する皇族たちに支給されているものなんです。
たとえば、秋篠宮さま、佳子さま、悠仁さまといった方々が対象になります。
皇族費の目的は「品位の保持」で、生活を支えるための資金という位置づけ。
内廷費と同じく“御手元金”として支給されるため、支出の詳細は基本的に公開されません。
ちなみに、皇族費の金額は身分に応じて違っていて、たとえば秋篠宮さまには3050万円の基準額の3倍、つまり年間9150万円が支給されています。
これに対して、天皇陛下が属する内廷全体への支給額は、令和7年度でも3億2400万円と定額です。
つまり、内廷費が「一家分まとめて」であるのに対し、皇族費は「一人ずつの基準」によって支給されているんですね。
宮廷費はどこまで「公的」なのか?
「宮廷費」って聞くと、ちょっと格式ばった印象がありますよね。
実際この費用、皇室の“公的活動”に使われるお金として、かなり明確な位置づけがあります。
たとえば、天皇や皇族が行う儀式、国賓の接遇、海外訪問、災害被災地へのお見舞いなど、いわゆる「公の場」での活動に必要な経費がこの宮廷費から出ています。
だから当然、宮内庁が経理している“公金”ですし、予算や使い道もちゃんと公開されています。
さらに、皇居などの施設管理や改修、皇室用財産の維持にも宮廷費が使われるんです。
じゃあ内廷費との違いはどこにあるかというと、ざっくり言えば「誰のため」「何のため」に使うかの目的ですね。
- 内廷費:天皇家の私的な生活に関わる費用(公表なし)
- 宮廷費:皇室としての公的活動に関わる費用(公表あり)
ただ実際には、この線引きがちょっと曖昧になることもあって、何をどちらで処理するかは宮内庁の判断に委ねられている部分もあるんです。
それでも、宮廷費は国民の税金が直接使われる“公金”である以上、透明性や説明責任が求められているんですね。
ここまでで、内廷費・皇族費・宮廷費、それぞれの違いがだいぶクリアになったんじゃないでしょうか?
まとめ|内廷費の内訳とその非公開制度の仕組みをわかりやすく解説
項目 | 内容 |
---|---|
内廷費の性質 | 天皇家の私的費用(御手元金) |
年間支給額 | 3億2400万円(1996年以降定額) |
主な使途 | 人件費、衣類費、食費、医療費、祭祀関連 |
管理体制 | 内廷会計制度で管理・監査あり |
非公開の理由 | プライバシー保護と制度上の設計 |
内廷費は「私的な支出」とされているため、詳細な内訳は原則非公開です。
しかし、一定の監査制度や予算編成の仕組みは存在し、完全な“自由支出”ではありません。
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